”カナヅチ”の気持ち。
遥か昔の話だが、僕は悪魔の実を食べていたらしい…
けっこう前の事なので、何の実を食べたのか良く分からない上に、いまだにどんな能力が発動するのかも不明である。
もしかしたら発動しているのかもしれないが、恐らく生きていく上で全く役に立たない能力だとおもわれる、これはたぶん間違いないと思う。
ただ、泳げなくなる。というデメリットだけはバッチリと残ったまま、今日まで生きてきました。
心当たりのある方もいるのでは無いだろうか?
という事で、今日は”カナヅチ”のお話です。
早速だが、僕は万年のカナヅチであり、全くもって泳げないまま気づけば26年が経っていました。
自慢では無いが、学校のプールの授業や夏に行われるスイミングスクール短期講習などで、1度も25mに達したことがありません。
当然の如く、毎回オタマジャクシコースからスタートを切ることになる。
カエルさんコース、イルカさんコース等は未知の領域であり、イルカさんコースの方々は半分魚だと思っていました。
人間の事を魚だと思っている時点で、僕の頭の中は「なぜ僕は泳げないんだろう?」では無く「なぜあの人達は泳げるんだろう?」なのであり、泳げる人間の方が不思議という現象に陥っているのだ。
あの人達は人間じゃない、という恐ろしい勘違いからこの男性は泳ぐという事に全く興味がなくなってしまったのだ。
そもそもだが、泳げないというだけで普通にプールに行ったり海に行ったりして遊ぶ上ではあまり問題が無い。浮き輪、ビーチバレーボール、ビート版、ゴーグルというプール界の神器がある限り、十分に楽しめる。
因みに足のつかないところで、浮き輪の空気を抜かれるとガチギレする。
僕は特に泳げる、泳げないというのは特に気にしていないのだが、この時期プールの話になると必ず泳げる、泳げないの話題に突入する。
周りではどれぐらい泳げる?選手権が始まる。
「体力さえ続けば無限に泳いでられるっしょ」「昔はバタフライでもいけたけど、今はどうかなぁ~」等と言ったアーロン一味みたいな会話が繰り広げられる中、僕は宣告する。
俺、”カナヅチ”だわ…と。悪魔の実食ったわ。と
すると、
アーロン一味達から、必ず返ってくる質問がある。
「え?何で泳げないの?」
なんで泳げないの?…
いつも思う。
なぜ僕が、質問される側にまわっているんだろうと…
人間は陸で生きてるだろと。水中で泳ぐという事の方がよっぽど不思議である。魚じゃあるまいし。えら呼吸じゃあるまいし。
こっちのほうが100倍質問したいのである。
だが「なんで泳げるの?」と質問したところで、全然解決に至らない。
泳げる人達には、あまり理解しがたい点が沢山あると思うのだが、正直”カナヅチ”から言わせてもらうと、全くもって言ってる意味が分からないのだ。
「なんで溺れちゃうの??浮けばいいじゃん。」
浮けばいいじゃん。
なかなか、おもしろい事を言う。そんな簡単に浮けていれば何の苦労もしない。くらげじゃあるまいし。
どんな構造してれば、水中に浮けるのか?”カナヅチ”をあまり舐めないで頂きたい。
しかし、泳げる人間は、なんか水中で手や足をスイスイやってて、普通にぷかぷかと水中で浮いている。前世はアメンボだったんだな。と思う。
アメンボか、空中に舞った後海に落ちていくビニール袋だったんだな。可哀そうにと。
水中に浮くことは、空中に浮くくらい難しい事だと思っている。
因みに空中に浮く人間の前世は、風船かノアの箱船だとおもっている。
このようにだが、いくらアドバイスを聞いたり泳ぎ方を聞いたところで全く泳ぐ気のない僕ではあるが、泳ぐという事には何回かチャレンジしたことはある。
ここからは、”カナヅチ”である僕が、今まで挑戦してきた泳ぎ方を、”カナヅチ”目線で難易度別に表していきたいと思う。
”カナヅチ”では無い皆さんは是非、可哀そうな奴だなと鼻で笑って頂ければ幸いです。
では、早速まずは僕のスペックから紹介していきたい。
・得意な泳ぎ バタ足 けのび。
・得意技 水中じゃんけん。ライフセーバーに笛を吹かせる。ウォーターボーイズの踊り(プールサイド版)。潜る(沈む)
・ヤバかった出来事 流れるプールで流されて行方不明になる。波にのまれる。くらげに刺される。ウォータースライダーで後ろのおっさんに激突される。九十九里浜に沈む。
といった、ヤドカリもびっくりする程のスペックである。
僕の前世は、タニシかホタテだったのだろう。
そんな僕が今まで挑戦してきた泳ぎというのが、クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ、犬かき。である。
では、まずはクロールからいこうと思う。
・クロール
・難易度AA+
まずは、みなクロールから始まっていくと思うのだが、これが早速難題となってやって来る。
何と言っても息継ぎが難しい。泳ぎに夢中になる為、水面上に顔を浮かべるという作業が出来ない。忙し過ぎるのだ。
仮にできたとしても、ただ顔を浮かべているだけであり、息は吸ってない。
結果、ただただ酸素だけが失われていき、「ヴぉぁっ!!」と言って足をつく。10mだった。
クロールは、バタ足に手をクレーンゲームみたいに動かす作業だと思っている。
・平泳ぎ
・難易度A+
次に平泳ぎである。これは比較的にクロールと比べれば楽なイメージがある。
あくまで、クロールと比べればである。クロールよりかはあまり忙しい動きをしないため、息継ぎにも少し余裕が出て来る。
しかしだが、いっこうに前に進まない。そしてどんどん幽霊船の如く水中へと沈んでいく。気づけば、足と手の動きがバラバラになっていき、スタミナは奪われ足がつり、「んっばぁぁっ!!」と言って足をつく。8mだった。
平泳ぎをするときは、沈まないように体中にワセリンを塗るべきだと思う。
・背泳ぎ
・難易度SSS
さて、こちらの泳ぎ方に関しては謎が9割を占めている。もはや「なんでそんな泳ぎ方するの?」の一点押しである。それ以外の何ものでもない。正面むけよ。である。
体の構造どうなってんの?から始まり、めっちゃ顔に水かかんじゃん。となり、最終的に、どこ見てんの?になっていき、ターンの時絶対、頭ゴンッ!ってなんじゃん。になる。
背泳ぎに関しては、泳ぐ以前の問題である。なぜ開発されたのか?これに限る。
因みに僕は、泳ぐ前に沈んでいった為、記録はでなかった。
・バタフライ
・難易度EX
こちらも同様、背泳ぎと同じで何でそんな泳ぎ方をするのかは分からないが、まだ正面を向いてるだけあって背泳ぎよりかは納得できる。
だが、これも疑問だらけである。まず、足だ。なぜそんな、ぐいんぐいん動かす必要がある?エビか。そして手の動き。そんな動き砂場で遊ぶ少年がめちゃくちゃデカい落とし穴を作る時くらいしか見た事がない。もはやショベルカーである。
バタフライも泳ぐ以前の問題である。名前も何で蝶々なのか分からない。ショベルカーでいい。
因みに僕は、出だし早々で足がバタ足になってしまった為、記録は出なかった。
・犬かき
・難易度????
さて、最後に犬かきだ。
こちらの泳ぎ方に関しては、一応出来てはいると思うのだが、いまいち正解が分からない。「これでいいのかな?」である。
そもそもだが、泳げる人であってもこんな泳ぎ方をしてる人をあまり見たことが無い。
北島康介であってもだ。一流の水泳選手であっても、使わないこの泳ぎ方に正解などあるのか、とても疑問である。
一応何回か挑戦してやってみたが、どんなに頑張っても5mが限界だった。
犬はとても凄いと思った。
さて、以上が僕が今まで挑戦してきた泳ぎ方なのだが、今改めて振り返ってみると、何ともひどい結果である。
ここまで来ると、我ながら少し心配になってきた。
これを機にちょっとばかり本気で泳ぎに挑戦しようと思えてきた。
よくよく考えると、
プランクトンや、ミジンコと言ったあんなチンケな生物だって水中で活動できるのだ。人間の僕に出来ないはずがない。
悪魔の実だか何だか知らないが、そんなものは知ったこっちゃない
ヤバい、
なんか、どんどんやる気が出てきた。
今なら泳げそうな気がする。
よし!
とりあえず、道具を揃えてからだな!
浮き輪でしょ?
ビート版でしょ~?
あとは~
…………
…………
ていうか、
もう、夏終わりじゃね?
9月入ってね?
こりゃまた、来年だな。
うん。
来年頑張ろ!!!(笑)
では!