あれこれ トミこれ事件簿(´▽`)

世の中のふとした難題をその場の勢いとノリだけで解決していく。

思ってたのと違ったわと言う悩みと、飲食店の道のり。

 

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 ”思ってたのと違ったわ”

 

人間とは失敗を重ねて学習していく生き物である。

 

 

やってみなきゃわからないだろ!

と僕は人生の内に何度も言って来たのだが、同時にいつも”思ってたのと違ったわ”が付いてきた。

 

そう、何度失敗しても 何度学んでも、必ず”思ってたのと違ったわ”という問題が付きまとってくるのだ。

 

好奇心旺盛な方々は十分に注意して頂きたい。

 

 

 

 

さて、 

突然ですが、僕は飲食関係の仕事をしております。

因みに今はフリーター。以前は会社員として働いていました。

 

何も考えずに飛び込んで行った飲食の世界。

 

この世界ほど”思ってたのと違ったわ”と心から思う事は無いだろう。

 

僕は今までありとあらゆる”思ってたのと違ったわ”を経験してきた。

 

 

 

 鈴虫を初めて見た時。名前と鳴き声からとても爽やかそうな綺麗な虫を想像していたが、どう見ても、ただのコオロギだった。

 

馬刺しを初めて食べた時。どう見てもただのマグロだった。

 

噂が絶えない”剛田”という苗字の少年に初めて会った時。パワフルな苗字を見事に裏切り、ひょろひょろのメガネ君が登場した。どう見ても”ホネカワ”の方が合っていた。

 

そんな出来事を遥かに上回る飲食の世界。

 

 

飲食の世界は厳しい。

休みが無い。給料が低い。 拘束時間がえげつない。

そんな事は分かっていたのだが、やはりやってみると想像を遥かに上回る。

 

 

料理が好き!料理が出来ればかっこいい!やっぱ今の時代手に職が無いとやっていけないっしょ!

 

こんな感じで飛び込んで行った者は恐らく半数近く3ヶ月もしないうちに辞めていくだろう。

 

 

僕もこの部類の人間だった。

 

僕がこの世界に飛び込もうと思った時期は高校2年生の時だ。

 

当時の僕は、偏差値42くらいの学校に通う赤点の亡者であった。成績表に赤表が3つか4つ付き2年生にして卒業どころか3年生に上がる切符すら貰えるか危うい状況であった。

 

 

この頃からだろうか「こりゃあ大学行けねぇな」と思ったのは。

 

大学を諦めた僕は、ここでようやく将来について考え始めた。

 

就職するか?専門学校に行くか?どうしようと。

専門学校に行くならどんな種類の学校に行こうかなぁ~なんて考え始めた。

 

 

 

ん~働くとしたら、俺パソコンとか苦手だしIT系は無理だな。プログラミングとかできねぇし。

 

やるとしたら、体動かす系かな?でも、大工とか力仕事系はちょっと向いてないな。

出来れば、技術を使ったパソコン使わない系がいい。

 

 

大事な事なのでもう一度言う。この男は今、高校卒業どころか3年生に上がれるかも分からない。人生においてとても大事な局面に立つ人間である。

 

よくもまぁ、こんな幸せな悩みを抱えたものだ。

いや、まず勉強頑張れよと。とりあえず高校は卒業しない?と今なら怒鳴りつけたいところである。

 

次の家庭科の授業で赤表が付いたらお前は留年だからな!と言われていた。

中に火が通ってない大根とごぼうが入ったどう見ても留年確定のみそ汁を、ドヤ顔で提出した結果、なぜか分からないが無事に進級することが出来た。

 

そんな僕だがここで調理の専門学校へ通う事を選択する。

 

美容師と迷った結果調理師を選んだ。

理由は単純。料理が出来ればかっこいい!と思ったからである。

みそ汁もろくに作れない人間がまぁよくもこの道を選んだな。と逆に関心すら覚えてしまう。

 

さて、晴れて専門学校に通う事になった僕だが早速”思ってたのと違ったわ”という難題にぶつかる。

 

ここで言う”思ってたのと違ったわ”は逆の意味で思っていたより楽という意味だ。

 

料理の世界が厳しいというのはあらかじめ何となく分かっていた。

 

きっとバチバチにしごかれて、心も体も毎日ズタボロにされてしまうのだろうと思っていた。

 

  

しかし、専門学校の課題や提出物なんかは、普通の料理に比べて審査が甘い。

それはそうだ。お金を払って学ぶのとお金を貰って学ぶのとでは訳が違う。

 

己の信念をかけた皿と皿をぶつけ合い、負けたら「はい退学ね」なんてルールも存在しない。

 

ごく普通の料理教室みたいな感覚だった。

 

そんな感覚が抜けないまま、いよいよ飲食店へと就職し始める。

 

さて、ここからである。

まずは挨拶代わりに「新入社員説明会」の道へたどり着くのにゾロもびっくりする程の方向音痴感をさらけ出し、見事に遅刻。

上司から盛大に怒られるところから始まる。

 

「うぉ。こえぇ。やっぱ社会人になると違うな。」と改めて気を引き締める事となる。

 

 

この点に関しては飲食店とかそういう問題では無いので、方向音痴の方々は十分に注意して頂きたい。到着予定時刻の二時間半前くらいには、家を出ることをおすすめする。

あとグーグルマップもしっかりダウンロードしておくこと。決して己の直感など信じない事だ。「近いな」なんて言いながら歩いていると、元にいた駅へと、たどり着くことになるだろう。「おや?見慣れた景色だな」なんて言い始めるだろう。

 

 

そんな僕であったが、毎日怒られながらも仕事はしっかりとやっていた。

 

「素早く丁寧に」いかに効率よく且つ丁寧な仕事を心掛け、時間を有効活用し、仕事量を減らしながら回すことが出来るか?

 

どの職でも言えることだが、調理職ほどこの能力が試される事は無いだろう。

 

実際とても大変である。

料理提供が遅いと怒られた。仕事が雑だ!と怒られた。

時には、”ハム”と”ハブ”を聞き間違えて怒られたこともあった。

”ハブ”取ってと言われた僕はしばらくポカンとなっていた。

 

理不尽な怒られ方も何度もした。

「これ、無理くない?」と何度もなった。

 

 

 

 

もはや、食らいつくだけで精一杯である。

 

当初、頭の中に描いていた料理人の姿が消えていた。

かっこいい。モテる。おいしい料理を食べたら女の子が裸になる。なんて考えてる余裕などない。

 

 「おあがりよ!」「お粗末!!」なんて言葉は使わない。実際使ってる言葉と言えば「早くシフト出して」であり、「わりぃ、この日入れない?」である。

 

思ってた以上に思ってたのと違かった。

 

 

しかし、こんだけ思ってたのと違っても、飲食店の仕事は続けている。

 

今はフリーターだが、結局料理が好きと言う点は変わらないのだろう。 

 

新しい事を始める時は必ず、思ってた以上のギャップが襲い掛かってくる。

 

自由になりたいからフリーランスになる。どこにでも居そうな普通の生活をしている人にはなりたくない。人生1回きりっすよ。

こんな学生達を最近見かける。

 

是非チャレンジして頂きたい。

この先訪れる”思ってたのと違ったわ”にぶつかり、悩みに悩んで欲しい。

それを乗り越えて、自分の思い描いた理想と違っても続けていって欲しい。

 

うむ。

 

 

最後に1つだけ言わせてほしい。

 

 

 

なんだかんだで、大学は出ておくべきだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

しっかり勉強頑張って下さい。

 

 

 

 

 

男子力と女子力の差

 

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「女子力高いね!!」

 

皆さん一度は耳にしたことがあるだろう。

 

  

 「女子力」はもはや、万人共通用語。男子であろうと普通に「女子力高いね!」と言われる。

男なのに女子力?と疑問を持った方も少なからずいるだろう。

 

 

しかし、世の男性陣たちは「女子力高いね!!」と言われると、ドヤ顔をする。

 

 

「だろ?」

 

大半の男性陣たちは、まんざらでもないと言った表情で口を揃えてこう言うだろう。

 

 

男ではあるが「女子力が高い」と言われる事に対して悪く思わない。いやむしろ喜ばしい。

 なんなら、「俺、最近女子力磨いってからさ!!」なんて自分からアピールしだしたりする奴もいる。

 

 

 女子力という言葉には不思議な力がある。

気遣いが出来る。面倒な作業も手間暇かけずしっかりとこなす事が出来ること等をまとめて「女子力」で補える。言ってしまえば、「女子力高いね!!」と言われた時点で、君はちゃんとした優秀な人間ですね!と宣告される事である。

 

 

具体例を出すと、

居酒屋で運ばれてきた「チョレギサラダ」を一目見て、そそくさと取り皿を分け、誰よりも早くトングを掴み、入ってる具材を均等に皆に取り分けていく。中に入ってるキュウリなどの具材を人数分きちんと均等に分けたりすることが出来れば、尚よし。

 

 

 

あるいは、いつ誰がケガをしてもいいように、常に”ばんそうこう”を鞄の中に忍ばせておくと言った行為だ。”ばんそうこう”にキティちゃんが描かれていれば、尚よし。

 

 

さて、「女子力」というワードが これ程、世間で大活躍する中、逆に「男子力」というワードを耳にすることがあまり無い。

 

勿論「男子力」という言葉は存在する。

が、大方普段の生活において多用されているのは「女子力」であり、「男子力あるね!!」なんてことを言われた経験がある方は余り居ないのでは無いだろうか?

 

 

男子力」とは何か?

 

これである。

 

どうすれば、「男子力」が高いと思われるのか?どうすれば「男子力高いね!!」と言われるのか?

この疑問にたどり着いた方はおられるだろうか?いないだろう。

というか”どうでもいいし”と思われているだろう。

 

 

 

 

コナン。金田一少年。シャーロックホームズ。

今まで数々の名探偵を見てきたが、誰一人いっこうに、この疑問について解決しようとしないので今日は僕が彼らの代わりに解決していこうと思う。

 

 

まずは、男子とは何か?

男子力」というからには、男子と言う生物が一体何なのかを確認する必要がある。

 

「男子」

 簡単に説明してしまうと、男の子供。一般的に男の子供の事を略すと「男子」という。

 

 

例を挙げると

 

部活後に、蛇口を捻り水を頭にかぶりながら「たまんねぇ~」とか言いつつTシャツを脱ぎ捨て、部室で裸になりながら踊り出す。

 

下ネタをガンガンに飛ばしながら、床に笑い転げまわる。

 

肩パンしようぜ!とお互いの肩を常に殴り合う。

 

「スターバーストストリーム」とか言いながら、その辺に落ちてる木の棒なんかをブンブン振り回す。

 

 朝一生懸命セットした髪の毛が暴風によって崩されるため、基本自転車通学途中はキレている。

 

 

等と言った事だ。

これを総じて「男子」 と呼ぶ。

 

つまりこのような能力が高ければ高いほど、男子力というものは上がっていく。  

 

 

 

 

 

さて

ここで一つ疑問が浮かんだ。

 

 

 

 

 

 

 

察しのいい皆さんならもうお気付きかもしれませんが、

 

 

 

 

 

 

この能力が高くてなんかいいことあんの?である。

 

 

 

 

考えて頂きたい。

 

仮に上記のような行為を女の子がやっていたとしよう。

女子力皆無のレッテルを貼りつけられるのは言うまでも無いだろう。

 

 

女子力皆無。つまり0。

 

 

即ち男子力100の最強おもしろ女子が完成する。

 

 

 

一見響きは、かなりいい”最強おもしろ女子”というフレーズであるが女子力が0というデメリットがあまりにも痛すぎる気がするのは気のせいだろうか?

 

そこまでして?感が凄い。

 

 

こうなってしまうと男子力というものは女子力と真逆の存在なのでは無いだろうか。という疑問にたどり着いた。

 

男子と女子確かに逆である。

リバーシで言うところの白と黒。人間界で言うところの、みのもんたウエンツ瑛士

 

 

 

男子と女子にただ力がついただけ。

自然と逆になってしまうのも無理はない。

 

 

みのもんた力があるね!とウエンツ瑛士力があるね!は確かに違う。

 

  

大人の落ち着きから来る余裕さと安定度。様々な司会進行役を任される圧倒的なリーダーシップを持ち合わせたみのもんた力。

 

まだまだ子供じみた部分はあるが、その甘いマスクと憎めない純粋な心と無邪気な性格をいつまでも兼ね備えているウエンツ瑛士力。

 

 

うむ。

こうしてみると何だか逆な気がしなくも無いが、なんか違う。

 

なんならどっちも嬉しい。

男としてどっちでもいい。

 

というか、そもそもみのもんたウエンツ瑛士は逆と言うよりもはや別人だ。

比べる次元がなんか違ったらしい。

 

 

 

 

 

いったいさっきから僕は何の話をしてるのだろうか。

みのもんた力だかウエンツ瑛士力だか何だか知らんが、女子力と男子力の話はどこに行ったんだ。

 

 

これだから僕はいつになっても女子力だの男子力だのが上がっていかないのだろう。

 

 

代わりに宇宙人力だけが日々高まっていっている。

 

 

 

 

 まずは、女子力とか男子力とか偉そうに語る前にまずはちゃんとした人間になる事から始めた方がいいと思った。

 

 

チョコバナナのおばさん。

 

 

 

 

 

 

 

じゃんけーん!ポン!!

 

 

「はい、1本ね~!!」

 

行列が並ぶ屋台で、ひと際大きな声が全体に木霊する。

 

先頭にいた少年は、肩をガックシと落とし。力ない表情で、チョコバナナを1本片手にトボトボと歩いていく。

 

また1人、勇敢に立ち向かっていった勇者が力およばず敗れていってしまった。

 

 

 

僕らが今並んでいるのは、毎年地元で開催されるお祭りの大人気店の1つ「チョコバナナ」の屋台だ。

 

 

当時小学6年生だった僕達が、この祭りに参加するのはもう何年目だろうか。

幼稚園の頃から毎年参加している超ベテラン勢である。

 

僕を含めた4人組のグループ、武藤、木村、丸山は、今日ある決意をしてこの「チョコバナナ」の屋台に並んでいる。

 

この「チョコバナナ」の屋台では1本200円で販売すると同時に、じゃんけんで勝つともう一本貰えるというボーナスがついてくる。因みにあいこも負けになる。

 

 

その屋台には、毎年ガーディアンの如く君臨する守護神がいる。

 通称「チョコバナナのおばさん」

 とにかくじゃんけんが強い。

 

口癖は「はい、1本ね」

勝ちを確信しているのか、有り余る自信からか良く分からないが、もはやじゃんけんの手を出す前から「はい、1本ね」と宣告する。じゃ~けん~はい、1本ね~。こんな感じで自分が負けるという事を一切想定していない。

 

そして、その相手は誰であろうと一切お構いなし。JKであろうと、アラサー男であろうと、幼稚園児であろうと、老人であろうと「はい、1本ね」とだけ告げる。

手加減と言う言葉を生まれながらにして、母体に置いてきてしまったのだろう。

 

そのあまりの非情さと強さから地元ではちょっとした騒ぎになり、あれは怪物、あれはバケモン等と年を追うごとに、どんどん話題になっていった。

 

 

あれに勝てれば英雄。

いつしか「チョコバナナのおばさん」に勝てればそんな称号を手に入れられるまでになっていった。

 

 

無論僕は、今まで1度もこのおばさんを打ち負かした事が無い。

一体何度「はい、1本ね」と聞いてきたのだろう。また1本か。となっただろう。

どう軽く見積もっても20回は聞いている。

「チョコバナナのおばさん」も、またカモがやって来た。と鼻で笑っているのだろう。

 

 

 

僕も英雄になりたい。

このまま舐められっぱなしは嫌だ。何とかぎゃふんと言わせたい。

そう決意した僕は今年こそはこのおばさんを打ち負かす。と心に強く誓った。

 

そして、僕と同じく毎回参戦している3人の負け犬達と一緒に、この列に並んでいる。

この4人の団結力はちょっとやそっとじゃ崩れない。お互いの夢、今日このおばさんを倒すために僕らは何があろうと協力し合う事を約束する。

 

 

「お前ら!結果がどうなっても恨みっこ無しな!」先陣を切る武藤が告げる。

 

「まぁでも誰かしら勝てるっしょ!」「確かに!でも2/4くらいでは勝ちたいよな~」と木村、丸山、僕とそれに続く。

 

僕らは、列に並ぶ前にある作戦を立てていた。

 

 「チョコバナナのおばさん」を倒すのは一筋縄ではいかない。考えなしに各々が突っ込んで行けば、下手すりゃ全滅と言った事にもなりかねない。

 

そこで僕らは列に並ぶ前に「チョコバナナのおばさん」を冷静に分析し始めることから始める。

 

じゃーんけーん!

 

「はい、1本ね~」

 

次々に敗れていく人々の表情とおばさんの出す手を冷静に分析する。 

 

 

「今のはチョキだったな。」「あぁ。今のは俺だったら勝ってた。」

 

 

 

 分析は思いのほか上手くいかなかった。

 

 

 

そもそもじゃんけんである。確実に勝利に導く勝ち筋を見つけるのは、ほぼ不可能に近い。

 

しまいには「顔的にグー」「優しい人に関してはパーが有効」「パワータイプに真っ向からパワーで挑んでも勝ち目はない」等と言ったじゃんけんに全く役に立たないような情報を交換しあう始末である。

 

 

 

 しかしここで丸山が切り出す。

 

「見つけたわ。俺」

 

なになに!?と興味深々で皆丸山の前に集まり出す。

 

「見てろ。次は多分パーかチョキだ」

 

 えっ!!!???

 

じゃーんけ~ん

 

はい、1本ね~

 

おばさんは、パーを出しながら「はい、1本ね」と言っていた。

 

マジか!??お前!なんでわかった!?

 

群がる僕達に対し、丸山は偉そうに告げる。

「あいつは同じ手は三回以上出さない。つまり、グーが二回出ていたら次はパーかチョキと断定できる。」

 

ようやく、それっぽい意見が出てきた。

 

なるほど、確かに言われてみればそうかもしれない。

これは、大きな収穫だ!でかした丸山!と思った矢先である。

 

 

「で?」

すかさず、武藤がツッコむ。

 

で?とは?と不思議そうな顔をする、丸山に対し武藤が続ける。

 

「いや、だから~チョキかパーか断定出来て次何出せばいいの?ってこと。仮にどっちかを出したところであいこになる可能性あるし、確実には勝てないっしょ?」

 

鋭いところを付いてくる武藤だが、こいつはさっきまで「かに座の奴ならチョキ」等と全く訳分からない事を言いながら僕と笑い転げていた奴だ。

 

 

他人の意見となるとこうまで厳しくなるものなのか。

 

そして、すかさずそれに木村も続く。

「まぁ3回連続で出さない事は分かったとして、俺達がじゃんけんする4回の間に同じ手が2回連続で出なかったらどーすんの?」 

 

 

 一瞬で丸山は論破された。

 

パーを言い当てて、さっきまで「俺エスパーだから!」等とほざいていた丸山だっが、言い返す言葉が見つからないようだ。

伸びった天狗のような鼻は、ユリゲラーの持つスプーンのように簡単にへし折られた。

 

 

 

 結局、色々と意見を出し合い、試行錯誤した結果。

皆違う手を出すか?もしくは、皆同じ手を出すか?

 

 

これに落ち着いた。

 

 

何の時間だったんだと。結局それかと。

 

そして、皆違う手を出したら結局同じ、そして作戦を立てた意味が無いという苦し紛れの意見から皆同じ手を出すことを決めた。

 

 

「いいな、皆パーだぞ?」

出す手はパーに決まった。因みにパーの理由はおばさんがどう見てもグータイプと言う謎の根拠から来ている。

 

 

「いいな!結果がどうなっても恨みっこ無しな!」 

順番決めのじゃんけんで僕らの中で1番最初に負け、先陣を切ることとなった、現在じゃんけんランク最下位の武藤が偉そうに告げる。

 

「オッケーオッケー」「誰かしら勝てればそれでいい。」 

クールに言い放つが 皆、うずうずしている。自分の番が近づいて来るに連れ、みなぎる力が抑えられない。

 

 

当然、僕も燃えていた。

今まで何度敗北を味わって来たことか。敗れる度に僕は「来年こそは必ずぶっ飛ばす。待ってろババア。」と悔しい気持ちを心に留めてきた。

 

チョコバナナ。せいぜい原価は30円~40円といったところか。それを1本200円で売りつけるとは、さぞいい商売だろうな。今年こそは必ず2本奪っていく。

 

「今年のチョコバナナの屋台は例年に比べて原価高くない?」

とか言わせてみたい。

 

「いや、それが今回凄いじゃんけん強い子達が居てね。わたしでもありゃどうしようも無いよ。彼らこそがジャンキング。世代交代の時ね。」

とか言わせて、できれば僕らがそのチョコバナナの屋台をやりたい。

  

 

 

 

チョコバナナのおばさんを倒す。

我々は今日その偉業を成し遂げ、英雄の称号を手に入れるのだ!

 

 

 しばらく並んでいるとようやく僕らの出番が近づいて来る。

「パーだよな!?」武藤からもう3回目くらいの確認が入る。

 

「パーだよ、うるせぇな!!」

 

みんな偉そうな事を言っておいてやはり、不安になって来たのだろう。

妙な緊張感が走る。

 

 

 並び始めて約20分くらい経った頃だろうか?

ようやく僕らの番が回ってきた。

 

 

因みに順番は、先鋒、武藤。中堅、木村。副大将、丸山。大将、僕。という順番である。

 

「行って来るわ。」

先鋒の武藤が、気合満々で先陣を切っていく。

 

 

最初が肝心だ。頼むぞ、武藤。

皆の注目を集めながらじゃんけんの体制に入る武藤。

 

「いくぞ!!!」

 

 

は~い

 

じゃ~んけ~ん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、1本ね~!」

 

 

無常に響き渡る「はい、1本ね」

武藤は、あっけなく敗北していった。

 

「チッ!」と舌打ちを鳴らし、武藤はチョコバナナを1本片手に列から除外された。

その後ろ姿は余りにも悲しかった。

 

 

儚い。

 

1人の少年の夢が、皆で高め合った夢が一瞬にして散っていってしまった。

小学6年生の少年達から見たその光景は壮絶な儚さを物語っていた。

 

 

 あんなのにはなりたくない。

 

皆口にはしないが、後ろに控える3人の戦士たちは間違いなく心の中でそう思っただろう。

 

 

 

「次は俺か。」

頼むぞ、木村。武藤の為にも、あのおばさんに一泡吹かせてくれ!

 

木村は財布から200円を取り出し、戦いに挑む。

 

 

じゃ~んけ~ん

 

 

 

 

 

ぽん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、あ、1本どうぞ~」

 

!!!???

 

ん?なんか聞きなれない言葉聞こえた。

空耳かな?と自分の耳を疑ったが、次の瞬間。

 

 

 

「うぉっしゃああああ!!!!」

木村が、チョコバナナを2本天に向かってかざしながら、勝利の雄たけびを上げていた。

 

勝った!!木村が勝った!!!

 

すげぇ!いいなぁ~!

周囲の羨ましい視線を集めながら木村は満足気な表情を浮かべる。

 

 

木村は、貰ったチョコバナナ2本を食べる事無く、ひたすら周囲に自慢するように見せびらかす。

 

 

 

当時、Twitterや、インスタグラム等は無く、インターネットで全世界にそれを広める術はない。

「勝っちゃいました!2本ゲット!俺にじゃんけん勝てる奴おる?w」

と言った文章と同時に、チョコバナナを2本持ちながら腹立つ笑顔の画像と一緒に送られてくるうざいツイート等はできなかった。

 

 

その場で感賞に浸って、ひたすら自己満足すると言った世界なのだ。

 

 

因みに、武藤はすでに1本食べ終えていた。もう手には”割りばし”しか残っていなかった。

 

周囲のどよめきを背に、木村は文字通り英雄になった。

 

 

 

いいなぁ~。俺も、ああなりたい。 

 

口にはしないが、後ろに控える2人の戦士たちは間違いなくそう思っただろう。

 

木村みたいな英雄になりたい。武藤みたいな割りばしを持ちながら、ふてくされてるダサい戦士にはなりたくない。 

 

 

妙な感情が少年達を包み込んでいく。

 

 

続く3回戦。

丸山が望む。

「行くわ。てかもう勝てる気しねぇわ。」

 

少し、弱気になる丸山だったがその気持ちは、何となく分かる。

目の前であんなものを見せられたのだ。こんな奇跡が2回も起きるものか?と多少自信を失うのも無理はない。

 

丸山は少し不安気な表情で戦いに出ていった。

 

 

 

いくよ~

 

じゃ~んけ~ん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、1本ね~」

……

 

ガックシとうなだれる丸山。

 

 

終わった。

無念丸山。やはり負けてしまったか。

 

しかし、武藤がすかさず丸山に喝を入れる!

「おい!!お前何でパー出してねぇんだよ!!!」

 

????

 

よく見ると丸山はパーではなくグーを出していた。

そして、おばさんも同様グー。あいこで負けていた。

 

「あーぁ勿体ねぇ!ちゃんとパー出してれば勝ってたのによ~。てか何でお前パーじゃねんだよ!約束したじゃねぇかよ!!」

 

武藤は怒っていた。

あれ程固い友情と絆を分かち合ったのにも関わらず、ここで裏切りが発生した。

じゃんけんの勝ち負けとは関係なくそれが許せなかったのだろう。

 

険悪なムードが立ち込める。

 

 

因みに、その横で木村はチョコバナナをほうばりながら「どんまい」とだけ言っていた。

 

「わ、わりぃ、なんかプレッシャーっていうの?圧っていうのか良く分かんけど、おばさんの目の前に立ったら良く分かんなくなって違うの出しちゃったわ。えへへ」

見苦しい言い訳を放つ丸山に対し、

 

武藤は「チっまぁいいや。負けたし」と邪悪な一言を放つ。

 

内部崩壊が始まろうとしている。

 

丸山よ、なんて哀れなんだ。しっかり約束を守っていればお前も英雄になり、こんなに攻め立てられることも無かっただろうに。

 

と、僕以外の周囲の人間達はそう思っただろう。

 

残念ながら、僕は丸山の気持ちが死ぬほどわかってしまっていた。

 

前の木村が勝った時からすでにこの思考回路におちいってしまったのだろう。

 

 

俺もあぁなりたい。そして僕らの中で誰かが勝てば良いという目標が達成された瞬間、己の欲望が前面に出る。

そして、その欲望はパーを出すという約束など余裕で超えていく。

こうなった人間の脳内は「別に木村勝ったし良くね?」であり、己が勝つ事しか考えなくなる。

 

己の事しか考えなくなった人間はやがて、無駄な思考回路が頭をよぎり始める。

「パーを出す意味がない」「2回連続でグーが出るはずが無い」こうした余計な考えが自らをどん底へと突き落とすこととなるのだ。

 

 

しかし、僕は今変わった。

 

内部崩壊が起きようとしている現状。自らの術中にハマり哀れな結末を迎えた丸山を見てハッとした。

 

違う。約束したじゃないかと。俺にとって一番大事なものは何だ?

自らそう言い聞かす。

 

大丈夫。そんな心配そうな顔で俺を見るな。俺はパーで勝つ。

そんな顔を仲間に向ける。

 

木村、お前はいつまでチョコバナナを食べてる。

少しは、おれのじゃんけんにも興味を示せ。

 

 

僕はおばさんに、200円を渡す。

 

俺が最後だ、見てろ!!必ずぶちのめしてやる!チョコバナナのおばさん!!

 

 

 

 

じゃ~んけ~ん

 

 

 

 

 

 

ぽん。

 

 

 

 

「はい、1本ね~」

 

 

 

 

 

終わった。

 

 

 

 

 

もう真っ白だ。

 

頑張った。

 

 

でも力及ばなかった。これが実力の差だ。

 

 

しょうがない。

 

 

 

 

 

いい勝負だったじゃないか。

 

 

太鼓の音。屋台でにぎわう人々の声。

 

 

 

 

そして、仲間の声が、やけに大きく聞こえる。

 

 

 

 

 

漂う祭りの雰囲気に飲み込まれていく。

 

 

 

 

 

また、今年も勝てなかったか。と

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は、

 

 

 

 

 

自分の目に映る、チョコバナナのおばさんと僕のグーを見つめ、膝から崩れ落ちていった。

 

 

 

 

 

 仲間たちが何か言っていたが、その後の記憶はあまり無い。

 

 

 

 

 

 

1つだけふと、脳裏によぎった事がある。 

 

 

 

 

 

 

 

丸山、あいつ、3回連続で同じ手出してきたぞ……

 

 

  

 

 

 

 

星座占いに出て来るラッキーアイテムはどう使われているのだろうか?

 

 

 

 

 

さ~て気になる今週の第一位は~?

 

ふたご座の皆さん!

今日は家から出た途端、突然電話がなり、上司からいきなり「今日から君は3日間の有給休暇だ。」と言われるでしょう。 

 

 

ラッキーアイテムは、

ロイヤルストレートフラッシュを片手に、不敵な笑みを送り続けて来るロシア人のおばさんです。

 

 

それでは、今日も元気に~お仕事~いってらっしゃ~い(^_-)-☆✰

 

 

 …………

 

こんにちわ。

 

とみです。

 

突然ですが、僕は星座占いというものを一切信じない男だ。

 因みにふたご座だ。

 

たとえ、今日の星座占いでふたご座が12位であろうと、

ふっくだらん。何が占いだ。と冷めた目でテレビを見降ろし、何食わぬ顔で家を後にする。

 

たとえふたご座が1位であろうと、

ふっくだらん。何が占いだ。とクールに言い放ち、そそくさと家中の中を駆け巡り、ラッキーアイテムを片手に何食わぬ顔で、家を後にする。

 

星座占いって本当に当たるのかな?なんて低俗な疑問はもう、大昔に捨て去った。

かなり前の事である。専門学生くらいの時だ。ここ数日不運が続いていた僕は、ついに2日間連続でバイクにはねられた。

流石にヤバいと、今日あたり死んでもおかしくないなと。

 

そんなある日、ふとTVに目を向けると星座占いがやっていた。

本当に占いなど当たるのか?と多少不安があったが、

もしかしたら、当たるかもしれない。と希望を持っていた。

 

その日は見事にふたご座が1位。ラッキーアイテムは「ねこじゃらし」だった。

 

もう冷静な判断が出来ないほど、奈落の底に落ちていった僕の心は、この「ねこじゃらし」というワードに良く分から無い魔力を感じ、異常な期待感をのせて、野原へと駆け巡っていった。「楽勝だな?ラッキーアイテムよ?」1位と言うからには、もっとレアな「アンモナイトの化石」や「不死鳥の羽」と言ったアイテムを想像していたが、思いのほか簡単に手に入った。普通の野原に生えているただの「ねこじゃらし」ランクEくらいのレア度を誇る、この「ねこじゃらし」をドヤ顔でカバンの中へ入れ、学校へと向かった。

 

 

その日の夜に専門学校の皆で飲み会があった。

そこで僕は、ぐでんぐでんに酔いつぶれ終電を逃してしまった。

挙句の果て、始発電車に向かう途中財布を落とすというアクシデントに見舞われ、帰り道に何度も吐き倒し、パワプロ君のぺしゃんこになった灰色の顔ような最悪なコンディションで家へ到着した。

 

 

頭が痛い。気持ち悪い。お金が全部無くなってしまった。

そんな、終わったモチベーションの中、ふとカバンを開けると、そこには「ねこじゃらし」がいた。「あーいたんだ。お前」と、もはや存在を忘れる始末。

なぁ?ねこじゃらし?お前は何の役目を果たしたんだ?と、尋ねても、一切答えは返ってこない。もうぐでんぐでんになり、中の変な緑の粒みたいなやつをカバンの中に散々に散りばめて死んでいる。そっと、僕はそれを窓の外へと投げた。

 

 

 

そよ風に揺られながら、優雅に飛んでいくその「ねこじゃらし」の姿を見て、「あーもう何でもいーや。とにかくもう今は眠りたい。」と、深い眠りにつき、入学後約3ヶ月で皆勤賞という、偉大な栄誉を取り逃してしまったのだ。

 

完全に星座占いというものに敵対心を持った瞬間だった。

 

 

皆さんに感じて頂きたいのは、星座占いは当たるとか当たらないとかそんな事では無い。そんな事はどっちでもいい。

問題は、この「ねこじゃらし」というラッキーアイテムだ。

コイツは、一体何の働きをしてくれるのか? これだ、

 

なんの役に立つのか?どう使えばいいのか?という具体的な説明が一切ない。

軽々しく「ねこじゃらし」と口にするが、それの使い方は一切説明されず、ただ持っていれば幸運になれるよ?みたいな言い回しをし、その場から逃げていく。

 

 

 

 

今日のラッキーアイテムは~「手裏剣!✰」そう!それだ、その「手裏剣!✰」だ。

その、手裏剣がどういう効果をもたらすのか、どういった使い方をすればいいのかを具体的に説明して頂きたい!

 

 

 

想像して欲しい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

いやー今日のラッキーアイテムは手裏剣か~!手裏剣、手裏剣っと~!♪

と、まずは家から手裏剣を見つけ出し、カバンの中へと忍ばせ、会社へと向かう。

 

AM9:00

「おはようございま~す」とまずは、元気よく出社し、課長を呼び出す。

 

「課長~すいません、お話があるんですけど……」

 

「ん?なんだね?」

「いや、ここじゃ、ちょっとあれなんで、出来れば別の場所でお願いしたいのですが」

 

「なんだ急に?大事な話か?」

「ま、まぁ。」

と、課長を会議室におおびき寄せることに成功する。

 

「で?話って何だい?君が呼び出す程の大事な話とは珍しいじゃないか?」

 

「ええ。まぁ。突然なんですけど、1ヵ月の有給休暇を頂いてもよろしいでしょうか?」

 

「おやおや、これまた面白い事を言うようになったなボウズ。はい、いいよ。なんて簡単に言うと思ったか?少しは状況を考えたまえ。」

 

「ふっ、どうやらあなたはまだ状況を把握していないらしい……」

 

すっとカバンの中に手を伸ばし、凛とした表情で今日のラッキーアイテム「手裏剣」を課長に見せつける。

 

「なっ!?き、きさま、、」

 

「あんたに残された道は2つだ、大人しく俺に有給休暇を与えるか、それとも今ここで、人生最後の時ををむかえる……か……さぁ好きな方を選べ。」

 

ふっふふっ

課長が不敵な笑みを浮かべる。

 

「何がおかしい?窮地に立たされて頭でもおかしくなっちまったか?」

 

「はっはっはっは!!!相変わらず甘い!甘すぎるぞ!貴様は!!」

 

「なに!?!?」

 

「それを使いこなせるのが貴様だけだとでも思ったか?おぉ?」

「まさかっ!?!?」

 

すっとポケットからラッキーアイテム手裏剣を手にする課長。

 

 

「お、お前もふたご座だったのか!?!?」

 

「惜しかったなぁー。小僧…ここまで俺を追い詰めた事は素直に褒めてやろう。が、しかしこれで詰みだ。お前には残念ながら、有給休暇も無く今日も明日もいつも通り働いてもらう。」

 

ぐっ……まだだ!!

 

すっと、お互いに距離を取り手裏剣を身構える。

 

「ほう。まだやるか?その度胸だけは認めてやる。」

 

「俺は絶対有給休暇を取る!!」

 

 

会議室内は、異常に張り詰めた空気に覆われていた。

 

そこへ、偶然通りかかった社内1とも言われる美人OL、名を、えーと。

エリザベス・ジョアンヌアフォートリリィ4世。としよう。

 

たまたまその現場を目撃してしまった、エリザベス・ジョアンヌアフォートリリィ4世は、とんでもないものを見てしまったと、即座にドアの後ろへと身を隠し、こちらの様子をうかがっている。

 

「課長、1つ提案があるのですが。」

「あ?何だ?今更命乞いか?」

 

「ここで、俺を打ち取ったところであんたには、何もメリットは無い。ここは大人しく俺に有給休暇を与えるのが賢明な判断だと思うぜ?」

 

「ふっ。そんなもので私が素直に貴様に従うとでも思っているのか?私にもプライドというものがある!あんまり舐めるなよ青二才がぁぁ!!!」

 

どうやら、何を言っても無駄らしいな。

もう、引き返せない状況まで来てしまった。どちらか一方が、命を落とす。

勝者はただ一人だ。

 

お互いの覇気が、凄まじい勢いでぶつかり合う!!

 

 

心配そうに見つめる美人OL、エリザべ……。打つのがめんどくさいので「智子」にする。

会議室の圧倒的な空気感とは裏腹に、「智子」は別の意味で心配になっていた。

 

この人達は一体何をしているんだろう?お互いに手裏剣を構えながら訳の分からない事を言い放ち続ける、もう立派な成人男性達に、若干の疑問と奇妙さを 抱きつつ智子の頭は混乱していた。

 

しかし、成績優秀の智子。推理力から理解力まで他の人達を圧倒している彼女の前ではそんな疑問を解くのは朝飯前だった。

 

手裏剣、、手裏剣、はっ!なるほど。

 

「つまり、今日のふたご座のラッキーアイテムは手裏剣って事で、それを利用した彼は手裏剣を凶器に課長を脅し、有給休暇を請求しょうとしたところ、課長も実はふたご座であって 手裏剣を手にし、お互い守るべきプライドの為に手裏剣を武器に命がけで戦っている。という事ね。」理解したわ。

 

と、ペッパー君をも脅かす完璧な推理力と計算力、瞬時の理解力を見せつける智子。

彼が危ない!!っと突如、謎の不安が彼女を襲う。

 

 「さぁ!!覚悟!!!!!」

っと二人の声が会議室に響き渡ると同時に、お互いの手裏剣を振りかざす。

 

しかしその時、

「だめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

と、その場へ飛び出す美人OL智子!

 

なっっ!?!?!?

 

その声に一瞬気を取られた俺は、手裏剣を投げるタイミングを0コンマ遅らせてしまった。

……しまった。

 

チェックメイトだ小僧。」

 

課長の放った手裏剣は、俺を目掛けて真っ直ぐ飛んでくる。

ダメだ、もう間に合わない。終わった。いい人生だった。

 

しかし、物凄い勢いでこちらへと、駆け寄ってくる、美人OL智子。

 

なっ!?!?!?

「バカヤロウ!!!来んじゃねぇぇぇぇ!!!」

 

 

 ………グサっ!!!!!!

 

……

 

……

 

ドサっ……

 

 

と俺をかばい、その場に倒れこむ智子。

 

「お、おい!!何してんだ?お前!?しっかりしろ!おい!!」

「私は、あなたの事が好きだった、だからこんな戦いやめて、あなたに、死んでほしく、無い、の……よ、……」

 

 と意識を失う智子。

「ともこぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

「ふっ」っとあざ笑う課長。

 

「きさまぁぁぁぁ!!!!」

 

「まぁ、そう熱くなるな。安心したまえ。」

と課長から、優しい表情でこちらに語り掛けてくる。

 

 

「なっ!?どういう事だ?」

 

「その手裏剣は、本物ではない。よく見たまえ。」

 

よく見ると智子の体に手裏剣は刺さっていない、軽いかすり傷はあるもの、大したケガではない。

 

「彼女はショックで気を失っているだけだ。」

 

「なっ!?って事は初めから課長は……」

 

「なぁに、今更。大したことではない……」

 

ぐっ……やっぱり俺はこの人にはかなわない。涙が止まらなかった。

 

「しかし、君たち二人の愛情にはあっぱれだ。私はとても感銘を受けた。君たちには私から1ヵ月の有給休暇を与えよう。二人でハワイにでも行って、リフレッシュして来るといい。」

 

「なっ!?でも、そしたら課長が?」

 

「心配はいらん、上は私が何とか上手くやっておく。それよりもお前、彼女を幸せにしろよ?泣かしたりしたらただじゃおかないからな?」

 

「か、課長、あ、、あ、ありがとうございます!!!!!!!」

 

 

 

 

「ふっどうやら、私も少し年を取りすぎたかな?全く。」

と、課長は手裏剣を見つめ、会議室を後にした。

 

 

こうして僕は彼女と一緒に有給休暇を1ヵ月頂き、ハワイで幸せなひと時を過ごすのであった。

 

ふと、窓に目を向けると美しく澄み切った青色の海。

その横には、差し込んだ太陽の光を浴びて、キラキラと光り続ける手裏剣の姿があった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  

っとこれくらい具体的にラッキーアイテムの使い方を説明して頂きたいものだ。

こんな、シュチェーションが起きるとは断じて言い切れないが、ラッキーアイテムというものにはこれぐらいの責任を負って欲しいものだ。

 

これなら、手裏剣を持っていく気になる。

 

 

さて、明朝の皆さんのラッキーアイテムは何だろうか?

 

 

その使い方、わたしがお教え致しましょう。

 

 

 

 

iPhoneXS MAX登場。僕とiPhone6plusの出会いと別れ。

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問題が起きたため、再度webページを読み込みました。

 

高熱を出しながら、僕のiPhone6ぷらすが悲鳴を上げている。

 

もう限界なのだろう。

画面左上はバリバリに砕け散り、勝手にマナーモードになったり解除されたりする。

上司に怒られ、険悪なムードの中「ラ~イン⤴♪」とか鳴ったりする。

 

 

アプリがことごとく落ちていく。

「ツムツム」がおちる。「ぷくぷく」がおちる。「FGO」がおちる。

プレイしてないのに勝手にドーナツが減っていく。

 

 

充電器は、しっかり差し込んでるはずなのに、ふぉん♪ふぉん♪と無限になり続け、しっかり充電出来てんのか分からない。朝起きたら2%だった。

 

そんな事はざらで、ついには朝目覚めたら、充電が切れていてアラームが鳴らず、仕事に遅刻なんてことも最近起こり始めた。

 

 

こんな生活を約2か月間くらいしている。

 

 

 

 

来たる9月13日にようやくiPhoneの新作が発表された。

長かった。めちゃくちゃ長かった2か月。

 

いったい何度iPhone8に乗り換えようかと、心を揺さぶられた事か、

この2か月間僕は、必死に検索し続けていた。「iPhone新作 いつ?」「iPhone9 まだ?」「iPhone6 ポンコツ

 

検索結果はいつも曖昧で、「もしかしたら今年中に出ないかも」「10月に延期の可能性あり?」みたいな感じで、僕の弱った心理状態をもて遊ぶかのような情報が飛び交っていた。

 

 

 

それが、ようやく解消されたのだ。

よくやった、俺。よくぞ耐え抜いた。

 

僕はiPhone6plusを使っているのだが、今まで6S、7、8、X、と全てスルーしてここまでやって来た。

 

それにもしっかりと理由がある。

僕はついこの間まで、自分のiPhone6plusは最強だと思ってた。

 

一生スルー出来ると思ってた。

この調子でいけばこの先何年iPhoneの新作が出ようと、いっさい問題無いと、、

iPhone23くらいまでなら全然余裕だと。

 

しかし、そんな事は無かった。普通に8が限界だった。

 

 

「頑張れ、iPhone6plus。後もうちょっとだぞ。」(棒読み)

最近僕は、コイツにこんな感じでつぶやきかけている。

 

 

 

思えば、コイツには散々お世話になった。色々な事があった。

しかしそれも、そろそろ、別れの時期が来ようとしている。

 

このiPhone6plusとの出会いはちょうど4年前くらいの時だった。

 

 当時僕は、androidを使っていたのだが、あまりにもスムーズに操作できなかった為iPhoneに乗り換える事を心に決める。

 

auショップに到着し、ずらりと並ぶiPhoneの中にひと際大きな画面を見せつけ、iPhone6plusは僕の前に鎮座していた。

 

 

 

「これください」

 

一瞬だった。

 

 何の迷いも無く即答でコイツだと思った。

 

どう考えてもコイツが一番最強。まじジャイアン

そんな感じで決めた。

 

 

「容量はいかがなさいますか?」「128GBで」

 

「保護シールはいかがなさいますか?」「 一番頑丈なガラス製のやつで」

 

スマホケースの方はいかがなさいますか?」「ぱかぱかタイプのこの店で一番いかしたやつで。色は赤がいいです」

 

……

 

 

世界一最強のiPhoneが誕生した。

 

当時iPhone6plusは一番最先端を走っていたiPhoneであり、6と同時に登場した。

6とは画面の大きさくらいしか変わらないが、間違いなく時代の先陣をきる者であった。

 

いきがった僕であったが、後程とんでもないお値段になった事を覚えている。

容量は絶対64GBでよかった。

 

 

ウハウハ気分で、僕は友達に携帯変えた~と手に入れたiPhone6plusを見せつけるのだが、当時のiPhone6plusはあまり評価がよろしくなかった。

 

 

「画面でかくね?」「ポケットから取り出しずらくね?」「片手で操作できなくね?」「電車でパズドラできなくね?」 

 

めちゃくちゃディスられていた。

 

 

しかし、そんな評価をもろともせず、歩み続けてきた結果、今現在次々に出て来る新作達は徐々にiPhone6plusのような大きさに合わされつつある。

 

 これには、僕のiPhone6plusもドヤ顔である。まんざらでもない、といった感じである。

 

 

  

今までありとあらゆる困難をコイツは乗り越えていった。

 

酒をぶっかけられようが、ものともしない。生ビールをこぼした。ジンジャハイボールをこぼした。レゲパンをこぼした。レゲパンは多分2回こぼした。

 

しかしそんな適当な主人の扱いにもへっちゃらな顔で向かいうってくれた。

 

時には、4階の階段へ上がる途中にポケットから滑り落ち、3階までボブスレーの如く転がっていった時もあった。物凄いスピードで3階まで駆け抜けていったのにもかかわらず、無傷で生還した。

 

「な、なんのこれしき、全然余裕っしょ。何なら2階まで転がっていけたけどね?」

 そんな心強い声が聞こえた。

 

後程、何のへんてつも無い道端で落ちた時に、画面左上から徐々にバリバリになっていった。

 

 

そして、時には寝ている間に電車内でポケットから滑り落ち、そのまま気づかず電車から降りてしまい、行方不明になったこともある。 

 

3日間探し続けた。

諦めていたが、新宿の警察署にて発見された。落とした場所は千葉県の電車なので、なぜ新宿まで飛んでいったのかは、さっぱり分からないのだが、拾い主さんに感謝しつつ無事生還した。

 

後程スマホを開くと、拾い主さんからメモにメッセージが書いてあった。

当時、ロックを掛けていなかったので中身を全部見られていたようだ。

 

「全部中身見せてもらいました。いきがった大学生ですね。見ていて虫ずが走ります。可哀そうなので、返しておきますね。」

と言った内容だった。社会人2年目だった。

 

 

 

そんな沢山の困難を共に乗り越えて行った僕のiPhone6plusも、気づけば、老いぼれたともし火ジジイとなってしまった。

 

スマホも人間と同じで、やはり歳には勝てないのだろう。

 

 

 最近では、充電100%の状態で家を出るも、何もしてないのに帰るころには10%を切るようになった。どこで90%消費してるのか大変興味があるのだが、そんな悠長な事は言ってられない、

 

何せ、常にスマホの充電を計算しながら生活しなければならないのだ。

朝起きた時から、この逆算が始まる。

 

「ここでTwitter開いたら、帰るころには0かな?」 0になる。

 

「LINEくらいなら何とか大丈夫だろ。」 通知0。

 

「1回くらいツムツムしてもいいよね?」 おちる。記録0。

しっかりハートは持っていかれる。

 

 

もうダメだ。

 

流石に生活に支障が出過ぎである。

 

早く乗り換えたい。すまない、iPhone6plus。

 

 

「俺は、この先新しいiPhoneを手に入れて先に進んで行く」

ゴーイングメリー号を捨てて、サウザンドサニー号に乗り換えた、ルフィの気持ちが今なら死ぬほどわかる。

 ウソップが何と言おうとこの気持ちは変わらないだろう。

 

 

 

そして、向かえた9月13日。深夜2時。 

 

新作、iPhoneXS、iPhoneXS MAXが、9月21日に発売される事が決定した。

残りあと1週間と言ったところだろうか。僕はこのiPhone6plusとの残りの期間を大切にしていきたい。

 

 

さて、ここで気になるiPhoneXS、MAXのスペックであるが、MAXの方はMAXと言うだけあってかなり画面がでかいらしい。

恐らくMAXなので、これが大きさのMAXという事が言いたいのだろう。

 

この時点で、僕はMAXを買う事が確定した。

 

MAXはヤバい。

 

どう考えても最強である。

 

そして、容量。

64GB、256GB、そして最大512GBあるらしい。 

 

この時点で僕は、512GBのMAXを買う事が確定した。

 

何せMAXのMAXである。

これ以上の進化はもう無いと断定できる。 

 

これならば、この先いくら新作が出ようと問題無いだろう。

いや、もはや新作が出るかすら怪しいところである。

MAXの次と言ったら何だろうか。

 

 

僕のiPhoneの使用頻度から、512GBという容量はいかかがなものかと。1人暮らし4LDKくらいの無駄感が多少頭をよぎったが、そんなものは関係ない。

 

最強であれば、それでいいのだ、、

 

 

発売日まで、残りあと1週間。

待ち遠しい気持ち9 名残り惜しさ1と言った割合で残りの期間を過ごしている。

 

新作iPhoneXS MAXよ、待っていてくれ。

 

そしてしっかりと、僕のiPhone6plusの意思を引き継いでくれ。

 

……

 

何だか、とても長い2か月間であったが、

 

 

今年も後3ヶ月で終わりですね。

 

 

では。

 

 

 

 

あだ名の由来とは、時に残酷な形でおとずれるものである。

 

  

 

 

小学校の頃、”イカくん”というあだ名の少年がいた。

 

因みに彼の名前は、まさる君である。

あだ名とは恐ろしいもので、時に名前とは何一つ全く関係ない名前を付けられることがある。

 

まさる君が、イカくんというあだ名になったのも、しっかりとした理由がある。

小学校1年生の時である、彼は小1にして並外れた頭脳を持っていた。

とにかく頭がキレる。

 

得意科目は算数で、すでに1系という言葉を知っていた。

 

僕ら庶民は、数争いをしている時は決まって最後に無限大数と言えば勝ちみたいな安易な考えがあった。

 

「俺100~」

 

はぁ~?「じゃあ俺10000~」

 

 

「じゃあ俺100万~」

 

 

はい、じゃあ「俺無限大数~」

 

 

 

これで、チェックメイト

 

 

 

「無限大数」の勝ち。である。

 

 

 

 

しかし、こんな僕達に、まさる君は冷静にツッコみを入れる。

「いやいや、無限大数は数字じゃないから」と。

「それを言うなら、無量大数な。」と、、

 

僕達は何が何だか良く分からないが、それっぽいまさる君の発言に、いつも感心していた。無量大数が一番強くなった。

 

 

そして、まさる君は、ボンバーマンというゲームがめちゃくちゃ強い。

ボンバーマンとは、簡単に説明すると、道に爆弾を置いて相手を殺すゲームだ。

何処に爆弾を置けば、相手を殺せるか?そして何処に隠れれば爆弾が当たらないか?何秒で爆弾が爆発するか?等を常に計算していく頭脳戦である。

 

スーパーファミコンのゲームであるが、僕達はことごとく、まさる君にボコボコにされた。

因みに、たまに勝ったりすると、まさる君は「もう一回」とだけ言い、僕達をボコボコにするまで永遠にコントローラーを手離さない。

 

 そんな、ゲームも勉強も小1にして、ぶっ壊れ性能を持っていた、まさる君であるが、彼にも弱点というものがあった。

 

 

 

 

それが、イカである。

 

まさる君はイカが嫌いだった。給食にイカが出て来るのがどうやら、嫌だったらしい。

 

 

 

しかし、流石はまさる君。

僕達にそんな、弱点をさらすような真似はしない。

 

頭のきれる彼はこのごまかし方も並外れたスキルを見せつける。 

 

給食にイカが出て来ると、まさる君は、食べるふりをして床に落とす。

あーぁと。イカが別に嫌いでは無い、むしろ好きな僕達は「もったいねぇ」とだけ言い、普通に給食を食べ進める。

 

先生も、次は気をつけなさいね。と言い、普通に給食をほうばる。

 

 

 まさる君は「はーい」と返事をし、イカをゴミ箱に捨てる。

 何の違和感も無く、無駄のない動き。

まさる君の圧倒的頭脳プレーに、僕達は何も気づけなかった。

 

 

しかし、しばらくして、またイカが給食に出て来る。

そんな頻繁に、イカが出て来るわけでは無いのだが、イカ料理というものは形を変えて様々な状態で出て来る。「イカリング揚げ」「真イカのサラダ」「イカと里芋の煮物」等、ひと月に1~2回くらいイカは登場する。

 

 

 

その度、まさる君はイカを落とす。

「また落としたのかよーまさる君~」と。

 

 

 

次の月も、その次の月も。

 

ひたすら、まさる君はイカを落とし続けた。

 

 

皆の脳裏によぎる。「イカ落とし過ぎじゃね?」

あまりにも、ピンポイントで落とし続けられるイカ

 

しかし、まさる君は、「またか」と言わんばかりに、落としたイカを手慣れた作業でゴミ箱へと運んでいく。

 

 

 違和感があり過ぎる。

あまりにも、イカ過ぎる。

給食の食材をよく落としてしまうという行為は、特に珍しいと言った事では無い。

プチトマトが上手くつかめなかった、箸が当たって牛乳を落としてしまった等、誰でも起こりうるミスである。

実際僕も、楽しみにしていたココア揚げパンを箸で掴もうとした結果、落としてしまい、ガン泣きした。

 

が、まさる君は何かが違う。

イカだ。なぜあんなにイカばっかり落としていくのだ?

 

 先生を含めた、クラス全員が疑問に溢れかえっていた。

 

 

 

 そんなある日、まさる君は学校を休んだ。

 

真面目で優秀な、まさる君が学校を休む。さぞ、大きな問題だったんだろうと僕達は思った。

風邪ひいたのかな?、身内に不幸でもあったのかな?

色々と疑問が飛び交う中、給食の時間が訪れる。

 

献立に「イカフライ」が登場した。

 

 

……

 

まさかな?

嫌な予感が皆の頭の中によぎる。

 

 

そこまでするか?

イカが嫌なだけで学校休むか?等と言いつつ、若干の期待を寄せる者も現れる。

 

 

当時、僕らは小学1年生。学校をさぼると言った概念が無い。

休む時には必ず何かしらの理由があるわけだ。

いやいや、風邪でしょ!!とか言いつつ心の中では皆、イカを期待していたのは明らかだった。

 

 

次の日、まさる君は何食わぬ顔で登校してきた。

 

早速まさる君は、質問攻めにあっていた。「何で学校休んだの~?」

といった小1らしい可愛いらしい質問に対し、まさる君は告げた。

 

 

 

「おれ、実は……イカが嫌いなんだ。だから休んだ。」

 

 とても前日休んだとは思えないほど、堂々と宣言するまさる君。

 

 

「まじで?w」

 

あまりにもピンポイント過ぎるその答えに、思わず笑い転げてしまう僕を含めたクラスメイト達。

やはり、イカだったと。半信半疑で疑っていたが、それが確信に変わった時の衝撃と期待通りの答えがたまらなかった。

 

 

 

まさる君は、もう隠せないと思ったのだろう。

イカを永久に落とし続ける行為に限界を感じ、学校を休むと言った切り札まで切ってしまった。

 

 

まだ、うんこ等と言った言葉で爆笑するような好奇心旺盛の小学1年生達とは、一回りも、二回りも上を行く彼の頭脳が逆にあだとなってしまった瞬間だった。

 

そして、まさる君は”イカくん”になった。

 

まだ、イカが嫌いと最初から言って残すだけであれば、こんな展開にはならなかったのかもしれない。いや。てか、ならない。

 

なっていれば、僕のあだ名は今頃「しいたけ」だった。

 

頭のいい彼の行動だったからこそ、こんな結果になってしまったのだ。

 

まさる君は、それ以降イカを残すようになり、すっかりイカブームは無くなっていった。約1か月間くらいで、普通にまさる君に戻った。

 

 

 

この、”イカくん”に始まり、僕は様々なあだ名をつけられている者を見てきた。

 

ドッジボールが強いだけで「もと外」。存在感が薄いと言った理由で「忍者」

遊戯王のライフポイントを頭の中で常に計算しているという理由で「計算機くん」

 

どれも、特徴をとらえた上に、ぶっ飛んだあだ名である。

 

 

ならば、特徴をとらえれば、ポジティブなあだ名をつけられるのでは無いだろうか?

と思い、僕はヘアスタイルをチェンジした。

 

菅田将暉のヘアカタログを見せて、こんな感じにしてくれと美容師に頼み込みカットしてもらう。

 

必死に美容師にセットのアドバイスを貰う。

ドライヤーである程度決めちゃって~、最初は柔らかめのワックス使って~、クセが強いんで最後スプレー使って固めちゃったりしてもいいかもです。

なんて言った的確な助言を貰う。

これで、菅田将暉の完成である。

 

 

 

次の日、、、、

 

 

 

 

 

 

 

僕のあだ名は、サザエさんになった。

 

天使のような少年との出会いと、母親の偉大さが素晴らしかった

 

 

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2~3歳児くらいだろうか?

電車の席に座っていると、ちょこんとお母さんと一緒に、僕の隣に座ってきた。

 

ニコニコとこちらを見つめる男の子。

 

にこっと笑い「こんにちは~」と手を振ると、

 

にこっとしながら手をぱちぱちと叩く。

男の子のお母さんが、「もう~すいません~ほら、しょうちゃん、お兄ちゃんに、こんにちわ~!」と言って男の子の手をとってフリフリと手を振る。

 

男の子は天使のような笑顔で「こにゅちわー」みたいな感じで、まだ言葉がままならないながらも、僕に挨拶してくれた。

 

 

やばい。

 

かわいすぎる。

 

なんだ、この可愛すぎる生物は。

 

とても同じ人間とは思えない。

 

やっぱり子供は可愛いなぁ~と、とても和やかな気持ちになり、眩しすぎるその笑顔を貰った僕は、今日とても良い1日のスタートを切ったのであった。

 

 

 

さて、

 

 

 

 

 

 

問題はここからである。

 

いい気分になった僕はこれから、目的地までいい夢でも見ながら寝ようと思ってた。

 

……

 

……

 

めちゃめちゃ感じる熱視線。

キラキラと眩しい視線を感じる。

 

 ちらっとその方向を向くとずっと男の子が見つめている。

 

再び僕は、ニコッと笑顔を見せた。

キャッキャ!と手をパチパチ叩く男の子

 

うむ、可愛い!!!

そして喜んでる子供を見ていると、とてもいい気分になる。

 

同時に僕は、寝れなくなった。

そんな、いいチップ貰ってしまっては、ほったらかしにして寝ることなど出来なかろう!

 

そう決めた僕は、今日はこの男の子が喜ぶ為であれば、いくらだって相手してあげよう!と思ったのだ。

 

変顔したり、笑ったり、手を振ったりして、男の子と一緒に遊んでいた。

 

お母さんも「もう~すいませんね~ほんとに。ほら~良かったね~しょうちゃん~」なんて言ったりしていて、僕もその親子の姿にほっこりしていた。

 

日本は今日も平和です。

 

 

しかし、しばらくすると問題が発生する。

 

ZZZZZ

 

!!!!!??

 

なっ!?

 

お母さん、寝ちゃった。笑

 

 

雲行が怪しくなってきた日本です。

 

 

そして、同時に僕も追い込まれる。

何せ赤の他人の子供だ。しかも喋れない。そろそろ僕の変顔ボキャブラリーも底をつきそうになっていた。

 

これが、知っている友達の子供や、親戚の子供とかなら何とかなる。

が、この状況で知らない人の子供、ましては喋れない子供とどうコミュニケーションをとればいいのか、境界線が分からない。唯一の通訳者であるお母さんが寝てしまった。

 

 これは、非常にまずい。

これ以上いったら、泣かせてしまわないだろうか?等と言った考えが頭によぎる。

 

てか、お母さん安心し過ぎやろ。(笑)

爆睡である。

 

ちょっと疲れたわ。あとは任せたわよ。みたいな感じで寝られてしまっても困る。

 

この人だったら、大丈夫みたいな信頼みたいのが感じ取れたのは、嬉しいのだが、残されたこちらの責任感みたいなのも考えて頂きたい。圧倒的プレッシャーである。

 

男の子は、不思議そうな顔でずっとこちらを見つめている。

 

まるで初めて見つけた、生物や新しいおもちゃを見つけたかのように興味深々な目をしている。

 

 

 

 あぁ、

しょう君よ、確かに君の前に写っている男性は、そこらへんに転がっている昆虫や、トイストーリーのように喋る変なおもちゃのような生物に見えているのかもしれない。

 

 だがな、僕も生まれたての頃は君と同じように人間のような姿をしていたんだよ。

 

と、満面の笑みで返す。

 

 

しばらく真顔だったしょう君だったが、またにこっと笑って手をパチパチし始めた。

 

 

良かった。

どうやら、僕が人間だという事は認めてくれたらしい

 

 

さぁて、どうすっかなーと困っていると、

 

「イィアッエエ!!!ウへへ!!」

みたいな事を言い出して笑いながら手を叩くしょう君。

 

……………

 

 

……………

 

 

……………

 

 

 

 

 

 

ほんやくこんにゃくが欲しい。

 

 

 

かつてこれ程までに、ほんやくこんにゃくが欲しいと思った事は無い。

今までドラえもんの道具の中で何が一番欲しいか?という質問は、耳にタコができる程皆さんも聞いてこられたと思う。

 

その中で皆さんは何と答えて来られただろうか?どこでもドアだろうか?もしもボックスであろうか?数ある無数の道具の中で、ほんやくこんにゃくと答える人間が何%いるだろうか?恐らく数%にも満たないだろう。

 

そんな、ほんやくこんにゃくが、僕は今死ぬほど欲しい。

喉から、手が出てもいいから欲しい。

 

古来から伝わる、皆が頭を抱え悩み続けてきたこの難題、結局いまだに正解までたどり着けないレジェンド級の質問。ドラえもんの道具の中だったら何が1番欲しい?」

 

この最終回答は、今なら間違いなく即答で、ほんやくこんにゃくといえる。

 

 

 

 

せっかく、しょう君が作り上げてくれたこのチャンスを「ん?なんて?」で返すのはあまりにも切なすぎるではないか。

 

 

 だが、今はそんな妄想に浸かっている場合ではない。ほんやくこんにゃくはない。

 

しょう君は何と言ったのだろうか?

「今日はいい天気ですね?」だろうか、それとも「顔にゴミ付いてますよ?あっごめんごめん!元々ゴミだったか!」等と言った距離を近づける為に放った、ちょっとしたギャグだろうか?

 

分からない。

 

とにかく笑顔を崩さず、しょう君に顔を向ける。

 

「ウへへへっ!!」と楽しそうに笑顔で返してくれるしょう君。

 

 

うん!そうだね!

 

必死にあぶり出した答えがこれだった。

 

 

我ながら、とても酷い回答である。

なにが、うん!そうだね!だ。そんなことぬかす奴は、機関車トーマスのナレーションぐらいしか見たことが無い。

 

 

しかし、そんな森本レオみたいな僕の発言も、しょう君は笑顔で受け止めてくれる。

もうエンジェルである。なんて素晴らしい子なんだ。

 

僕が関心していると、

ここで、しょう君は興奮したのか大胆な行動に移る。

 

なんと、その場で座席の上に立とうとしているのだ。

 

!!!!!!

 

なっ!?やばい!!しょう君、それはあまりにも危険すぎるのではないか!?

ひっくり返って落っこちたりしたらどうする!?

 

僕は慌てふためく。必死に何とか座らせようとする。

あまりの突然の出来事に「るるるるるるるるっ!!」と動物園の飼育係みたいな声を急に出し始める僕。

 

ざわつき始める車内。

 

 

今日の日本はハリケーンです。

 

 しかし、それを即座に感じ取ったのか、母親ここで起床。

 

「しょうちゃん!!だめ!座りなさい!」と一言。

一瞬でそこに鎮座するしょう君。

 

すげぇ。これがお母さんの力か。

あまりの迫力に目が奪われた。

 

お母さんが寝ていた時間は1駅~2駅くらいの間。約3分間くらいである。

その3分間で、僕は色々なアクシデントに見舞られた。フナ虫になったり、ウッディやバズライトイヤーになったり、森本レオになったり、動物園の飼育係になったりした。

 

たかだが、3分で何個も心臓が吹っ飛びそうになった。

 

それを1撃で、1言で黙らせるのだ。

さすがは、母親である。

 母親の力というものは本当に偉大だ。

 

 

 

その後、お母さんは再び眠りにつくことは無く、一瞬嵐が来た日本であったが、また平和な日本へと戻っていった。

 

 

そして、お別れの時。

先に電車から降りる親子たち。

 

「すいません。ほんとに。ありがとうございました」

ペコっと母親から、お礼を言われる。

 

「いえいえ、とんでもない。ばいばーい!」

と、しょう君に手を振る。

 

 また、お母さんに手を握られ、手をフリフリさせながら、しょう君は満面の笑みで「ばぁい、ばーぁい」と可愛らしい声で返してくれた。

 

 

自然と溢れる笑顔。

あまりの可愛らしさに一瞬気を失いそうになる。

子供の力というものは、ほんとに不思議である。

 

 

 黒く澄み切っていた僕の心を浄化してくれるような、そんな力を持った素晴らしい親子との出会いだった。

 

では。