昔の無法地帯な遊戯王を、元デュエリストが教えよう
全国のデュエリスト諸君、
こんにちわ。
今日もデュエルディスクを片手にデュエルを楽しんでいるだろうか?
ドロー!!裏側守備表示っ!!強欲な壺っ!!そんな意気揚々とした声が今日も聞こえてくる。
うむ。それだけ聞ければ十分だ。今日も皆が、楽しくデュエルに明け暮れ、ベテランから始めたてのデュエリストたちが己の信念の為にカードゲームで戦っている。
素晴らしいでは無いか。それだけ聞ければ僕は満足だ。安心して見守っていられる。
因みに偉そうに語らせていただいたが、僕は、デュエリストではありません。
正確にいうと元ニワカデュエリストである。
遊戯王カードでいうと、つぼ魔人で止まっている。
つぼ魔人は個人的に好きだ。つぼの魔人だからつぼ魔人。シンプルでいい。
あと、この攻撃力200ってとこが良い。逆に?ってとこが。200もあんの?ってとこが。
つぼでしょ?どうやって攻撃すんだろ、やっぱり手に持ってるシャボン玉だろうか?なんなら人間の僕でも、もしかしたらってとこがある。つぼ魔人はいい。
さて、今回は遊戯王について語らせていただきたい。
デュエリストでも無いものが、いきなり何を言うかと首をかしげた方も多いと思うので、訂正したい。元遊戯王について語らせてください!!!
今の遊戯王が、あまりにも良く分からなくなっていたので、これはもしや今の遊戯王に慣れ浸しんでしまった人達は、昔の遊戯王について理解に苦しむ点が多いのでは?とシンプルに思ったのだ。
と言うのはたてまえで、
環境や、ルールが一変してしまった遊戯王カードについて昔の無法地帯の遊戯王についてただ単に語りたくなってしまったのである。
では、早速行きたいと思う。
まず、カードについてだが、今のように周りが白いカードや黒いカードは僕らの世代には存在しなかった。良くて、紫だ。融合で出せる紫までだ。
例えていうならば、「カルボナーラ戦士」と言うのがいる。
因みに僕はこれをデッキに入れてる人を見たことがない。
召喚が、めんどくさい上に、そこらのしょうもないノーマルカードに普通に敗れていくからだ。あと見ている目線が良く分からない。
そして、レアカード。今みたいに角度を変えてようやく見えるような、白く光るカードも存在しない。
良くて、シークレットレアだ。僕らつぼ魔人世代がシークレットレアと言って真っ先に頭に浮かぶカードは「人造人間サイコショッカー」だ。
言い忘れていたが、今回遊戯王をあまり知らない人たちには申し訳ないが、良く分からい変な言葉がバンバン飛び交うと思う、そういう時は、かっこいい龍や、変な化け物を名前から想像して頂けるとありがたい。
因みに、人造人間サイコショッカーは、名前の通り、変な化け物の部類だ。そして強い。
カルボナーラ戦士については、単にカルボナーラが好きな戦士と、とらえてもらって構わない。その点に関しては僕もよく分からない。
詳しく知りたければ、カルボナーラ戦士と検索をかけて欲しい、ただしカルボナーラだけだと余裕でパスタに検索負けするので、必ずカルボナーラ戦士と最後まで入力する事を忘れないで頂きたい。
カードの紹介については以上である。
続いて、デュエルフィールドだ。
最近は、デュエルを行うフィールドも大きく変わってきている。
今の人達には最近あまり見られないのだが、僕ら、つぼ魔人世代はデュエルを行うフィールドと言えば、もっぱらの外だ。ガンガンに外でやる。外8家2くらいの割合でやる。
しかも、スリーブなんてものは付けない。カード丸裸の状態で余裕で地面におく。
たとえ、ウルトラレアだろうが、じゃりじゃりの地面の上に容赦なく裏守備表示で召喚する。つぼ魔人世代にはカードが傷つくから勿体ないという概念が無い。誰が強いか?ただそれだけの為に戦う。
その執念は凄まじく、たとえどんな悪天候であろうと彼らは一切デュエルを中断しない。雨が降ろうが、嵐が来ようが、そそくさと自分のデッキを持ち屋根のある場所を探しだし、そこでデュエルが再開される。
天候によるアクシデントに見舞われようと、デュエルをする為であれば、カードに及ぶリスク等は恐れない。
因みに僕の「砦を守るよくりゅう」は突如おとずれた急な突風により、見知らぬ誰かのベランダへと消えていった。
そんな事は日常茶飯事だったが、
流石に、ブラックマジシャンが雨でずぶ濡れになってしまった時は、ショックを隠せなかった。へなへなになったブラックマジシャンを、崩れないように何とか家に持ち帰り、すぐさま、ストーブの前に置いたり、冷蔵庫の中に入れたりして復旧作業を行ったが、いくらやってもブラックマジシャンが元の姿を取り戻すことは無かった。
いつまでたってもへなへなのブラックマジシャンはその後、冷蔵庫に入れられたのを忘れられ、数日後にキンキンの状態で、母親に発見された。
たまごを取り出すと同時に、出てきたブラックマジシャンを見て「ゴキブリかと思った」と言った母の発言と、急に「ゴキブリ」という言葉を浴びせられたブラックマジシャンの表情は、絶対忘れないと思う。
こういった、環境や、バトルフィールドもそうだが、やはり1番変わったのは間違いなくルールだろう。
ここからは、覚悟して欲しい。これは地元だけだったのでは?と今考えると全く訳の分からないルールが飛び出してくる。
今はもう細かいルールが多過ぎてよく分からない。と良く言われるが、逆に細かく無さ過ぎて良く分から無いという不思議な感覚におちいるだろう。
まずは、制限カードだ。今はせいぜいデッキは40~60枚と言ったところだろう。
40枚以上60枚以下でデッキを組む。これが基本だ。
まず、それが無い。早速だが、そんなルールは存在しない。
普通に100枚とかで組んだりする。もしくは、20枚だろうが、戦えさえすれば何枚であろうと構わない。当然の如く同じカードは何枚も入ってる。
禁止カードなんてのも存在しない。
因みに僕のデッキの中には、「魔法除去」が6枚入っていた。
そのうち1枚は字キラだ。つぼ魔人世代は字が銀色に光るノーマルカードを字キラという。めちゃレアだとおもってた。
その後、同じカードは3枚までと知るが、その頃には「魔法除去」は僕のデッキには入れる価値の無いものとなっていた為、二度と「魔法除去」が僕のデッキに入る事は無かった。
死者蘇生なんてカードも当然の如く3済みだ。
1回のデュエルで、1度死んだデーモンの召喚が5回くらい甦ったりする。
一体何をそんなに蘇らせる必要があるのか?そして何回死ぬんだと。
しかし、そんなのは、まだまだ全然可愛い方だ。
僕らには、もっと恐ろしいルールが存在した。
当時恐れらていた、最強カードがあった。
「マジックシリンダー」と言うトラップカードだ。今でも使われていると思うが、一応説明しておくと、相手が攻撃してきた時に使うとその攻撃してきたモンスターのダメージを相手に跳ね返すという、とんでもないカードだ。
そして当然の如く、みんな3枚デッキに入れている。
問題は、このマジックシリンダーが場に2枚以上伏せられた時に起こる。
対戦相手が攻撃!!と宣言した瞬間「はい、マジシリ~」という謎の掛け声ともに開かれる2枚の伏せカード。
そして、その開かれた2枚の「マジシリ」を見て攻撃を宣言したものは「マジかよ~」と言ってその場で崩れ落ちる。
不思議だろう?一応説明しておくと。
罠カードというか、「マジシリ」は1回の攻撃につき、1枚までしか使え無いのにも関わらず2枚併用して使っているのだ。
そう、罠カードをオープンする条件等と言った細かいルールは彼らは気にしない、あくまでも、そのカードに書かれている真実だけに忠実に従う。
つまりこの場合、一気に2枚の「マジシリ」の効果が発動された事によって、2倍のダメージを跳ね返したという事になる。
たとえて言うならば、ブルーアイズで攻撃してこれをやられた場合一気に6000ダメージ返ってくるという事だ。
もう訳が分からないだろう。1回だけしか放って無いはずの滅びのバーストストリームが、なぜか2回になって返ってくる。
これが、たまらなく恐怖だった。マジで何にもできなくなるのだ。
こっちの場にブルーアイズがいて、相手陣地ががら空きであっても、罠カードが3枚伏せられている状況であれば、「タ……ターンエンド…」となるのだ。
しかし、こんなものでは、済まされない。さらに上がある。
これよりも、もっと恐ろしいルール。というか、もはやルールとか反則とかそんなレベルでは表せない。普通に犯罪に匹敵する。
そんな、犯罪レベルまで影響を及ぼす、悪魔みたいなカードが存在した。
それが「心変わり」という魔法カードだ。
一応説明しておくと、これを使うと、1ターンだけ相手のカードを自分のものに出来るというカードだ。
当時のこのカードの使い方のテンプレとしては、
心変わりを使う→相手のモンスターを自分のものにする→生贄に捧げる→サイコショッカー。と言ったパターンだ。
大体操られたモンスターは生贄に捧げられる。
そう、この生贄に捧げられる段階で犯罪の第一段階へ突入する。
これは、今考えるとほんとに良く分からないのだが、なぜか操られたカードは生贄に捧げられると自分の墓地ではなく、ゲームが終わるまで相手の墓地に行くことになる。
自分のカードが相手の墓地に行くなど、今では想像できないだろう。
しかし、何度も言う通り彼らは、細かいルールなんてものは気にしない、カードに書かれた通りの真実に絶対の信頼を経ている。
1ターンだけといえど、生贄に捧げられては仕方がないな。と相手の墓地に行くことに何の不信感も持たない。
むしろ、目の前にサイコショッカーが出てきたことに絶望を感じる。
因みにサイコショッカーは「マジシリ」を無効に出来るめちゃくちゃ強いカードだ。
そして、問題は、デュエル終了後だ。
まぁ大体は、気づいてデュエル終了後には本人の元へとカードが戻っていくのだが、忘れてそのまま、相手のデッキの中へ入っていってしまうと、もう終わりだ。
家に帰ってデッキを確認すると、「あれ?ラーバモス無くね?」ってなったりすると、もうその「ラーバモス」は 一生返ってこない。
奪ったものは、そそくさとコレクションファイルに入れられ、次の日にはラーバモスなんて無かったよ?としらばっくれられる。
返せよ!ラーバモス!と言っても、知らねーよ!ラーバモスなんて!!
と言われる。そして、しばらく考えた結果、まぁいっか。と諦める。
いいのかよ!!と思った皆さんに、ラーバモスを簡単に説明すると、めちゃくちゃ弱いイモ虫だ。
そんなものをコレクションしてる奴が逆に心配になる。
そこまで欲しいか?と疑問に思ったが、可哀そうになって来たので悩んだ挙句、献上した。
僕が奪われたのは、チンケなイモ虫だったから良かったもの、周りの友達の中には物凄いレアカードを盗まれている者もいた。
ホーリーナイト・ドラゴンを盗まれて、ガン泣きしてる者もいた。
そこまで、少年の心をづたづたにするカード。心変わりは、正に悪魔のカードだった。
これはぞくに、心変わり詐欺といわれ、当時の僕達にはどんな詐欺の中でも一番恐ろしい詐欺だった。
「心変わり」には、気をつけろ。っと日本中の少年が怯える。びくびくと、毎日「心変わり」に怯えていた僕達だが、
ある日、とんでもない人物が現れた。そのとんでもない人物は誰だか忘れてしまったのだが、彼の「心変わりで生贄に捧げられたら自分の墓地に置けばいんじゃね?」という発言に誰しもが度肝を抜かされた。
頭良くね?と僕達は感動した。世紀の発見かと思った。エジソンみたいな人物が現れた!と当時、そのエジソンみたいな人物は一躍スーパースターになった。
今でも名前が思い出せない。
1つの人類の悩みとも言われる、「心変わり」詐欺が、このエジソンのような人物により、解消され僕達はまた、安心してデュエルに臨めるようになった。
細かいルール等も徐々に取り入れられ、より一層デュエルが深く、安全に楽しめるようになった。
時は流れ、もう今では、「心変わり」詐欺なんて言うのも死語になってきている。
今日もみんなが、安全にデュエル出来ていることを僕は嬉しく思う。
僕は、デュエリストでは、無いがデュエリストの皆さんには是非、安全に楽しくデュエルというものを楽しんで頂きたい。
元デュエリストより。
では。