あれこれ トミこれ事件簿(´▽`)

世の中のふとした難題をその場の勢いとノリだけで解決していく。

恐怖の限界を超えると人は爆笑する、

 

 

 

 

 

人は、恐怖の限界を超えると笑う。

 

皆さんは幽霊をみたり、ホラー映画を見たりした時に爆笑した事はありますか?

 

因みに、僕はありません、ついでに幽霊も見た事ありません。

 

しかし、怖い体験は確かに限界を超えると笑えて来るという、原理はあながち間違ってはないんでは無いだろうか?という体験をしたことはあります。

 

 

アルバイト時代の話、同僚のアルバイトのスマホの様子が、どうやらおかしい。

見てみると、指も触れていないのに、勝手にスマホが動き出すのだ。

 

スマホ自らの意思で、勝手にグーグル開いたり、しりが勝手にしゃべり出したり、変なエロサイトに飛んでったりと、それはもう自由奔放、思春期の少年の如く、好き放題動き回っていた。

 

 

これは、ゴーストタッチという現象らしく、名の通りゴースト(幽霊)タッチ(触る)なんて意味が込めれている。実際なっている人は結構いるようなのだが、

 

当時、初めてそれを目の当たりにした僕は、恐怖で固まっていた。勝手に文字を打ち出したりする、そのスマホが不気味でしょうがなかった。

 

 

 

しかし、その同僚は、恐怖で怯える僕を横に、暴走するスマホを見つめ「はぁ、またか。」と一言。そして、いきなりそのスマホを、テーブルに叩きつける。

 「チっ」と舌打ちをした後、ぐりぐりとスマホの画面を物凄い圧力で押し付ける。もう、なんか液晶がヤバい事になってる。虹色になってる。

 

  

しばらく押し付けた後、うんとも、すんとも言わなくなったスマホ画面。ようやく落ち着いた同僚は、軽く、スマホ画面にグーパンを入れて、「うし。」と一言。何事も無かったかのように、スマホに人差し指をスライドさせ始める。

 

 ………

 

……

 

いや、

 

 

 

ちょっと待ってくれと。何だったのだ?今のはと、 

不可解な現象に あまりにも、自然に元に戻っていく同僚がの姿につい、こう思わざるおえなかった。

 

この行動は謎だらけだ。

まず、「はぁ、またか」でこの現象をかたずけ始める。毎回こんな不気味な現象が、起きてるのか?とこの時点で異常を感じる。そして、直し方だ。あってんのか?それは?だ。一時的な直し方だと思うが、明らかに公式にのっとった方法ではないだろうと思う。そんでもって「うし。」だ。もう大丈夫みたいな。

 

「うし。」じゃないだろ。なんだその、よーしおっけー次いってみよう。みたいな「うし。」は。絶対ダメだろ、またなるだろ、それ。

グーパンを入れる意味も分からん、「もう勝手に動くんじゃないぞ?いいな?」みたいな意味が込めれてるんだろうか?優雅にスマホをスライドさせてる場合か⁉さっさと変えろ!その携帯!!呪われてるぞ⁉

 

 

とにかく、このスマホが怖かった僕は、疑問だらけだった。

 

「ヤバくない?大丈夫なん?これ?」

疑問が山ほどあるが、その意味を全て込めて同僚に放った。

 

 

すると、「あーこれ?もうマジうぜぇよ」と言って、またスマホに夢中になり始める。

 

 

 

…………

 

 

いや、

 

 

終わり?

 

そんなもんなの?

 

  

この、僕と同僚の温度差は明らかにおかしい。

 

恐怖で怯える僕の横で「マジうぜぇよ」と同僚は怒り狂っているのだ。

なぜ、怒っているのか?まず、そこじゃ無くね?と思う。この状況は不思議でしょうがない。

 

皆さんは、怖い話や、ホラー映画を見ていて、いきなり 怒り狂い始める人間を見たことがあるだろうか?ないだろう。

 例えいたとしても、なんで?となるだろう。

 

 

まさに今そんな、感じだ。

 

そこじゃ無い感MAXなのである。

 

二人で「リング」を見ていたとしよう。井戸から出て来る貞子を見て、ビビりまくっている僕の横で、同僚は「あーなんだかなー、もうちょい貞子も髪切って、化粧バッチリ決めればもっといい女になるのになー、あれじゃ男も寄って来ねぇって。ほんと勿体ねぇよ。出て来る場所も井戸ってなんだよ、せめて琵琶湖だろ。これだから貞子は全く。」と訳の分からない文句を並べながら、切れているのだ。

 

 

そこじゃない。そこじゃ無さすぎる。

今は怖がるところだろ。なんで貞子にダメ出ししながらお前は切れてるんだ?

 

と不思議に思うだろう……

 

 

さて、この恐怖が怒りになるという現象、僕はさっぱり分からなかったのだが、数日経って何となく分かってくるようになる。

 

2日~3日経った頃だろうか?

相変わらず同僚は、ゴーストタッチとの戦闘を繰り広げている。

 

サトシの言う事を一切聞かず、指示とは全く別の技を出し始めるリザードンのように自由な行動するスマホ

 

「やれやれ」ともう同僚はあきれ果てている。

 

僕は、その動き回ってるスマホ画面をしばらく見ていて、おかしな感情が湧き上がる。

 

あれ?なんか、イライラしてきた。

当初は恐怖により全く思わなかった感情なのだが、確かにイライラしている。

 

見れば見る程、その動くスマホを見てイライラしてくる。

人間に歯向かっているその、スマホの動きが。そのフリースタイルが。

 

自由になりたいのは分かる、恐らくそれは、人間であれ、スマホであれ同じなのであろう。しかし、スマホよ、お前が今自由に動き回ったところで何が生まれている?

 良く考えてみろ。お前の役割は何だ。人間の役に立つところだろ、それが今は人間を困らせているという事に気づかないのか?

 

 

しかし、この思いをよそに、同僚のスマホはひたすら、動き回る。

ガン無視である。

 

「知ったこっちゃない」と、それはそれはもう、驚くほどのガン無視である。

 

 

 

ダメだ、いらいらする。完全になめてやがる。

ようやく、僕は同僚と同じ領域に達したのだ。

 

 

 怖い→怒りの段階へと変わっていったのだ。

 今なら、同僚の気持ちが分かる。これは確かにいらいらしてくる。

 

 

しかし、僕が怒りの段階へと突入していってる間に、同僚はさらなるステップへと進んで行っていたのだ。

 

 

そう、

 

それが、笑いだ。

 

同僚は、怒りを通り越してもはや、笑っている。

「なんなんだよーもうー」とか言いつつ、笑っている。

 

ずっと笑っている。笑いすぎだろってくらい、笑っている。

 

これも、実に不思議な状況だ。

 

僕が、怒りに震える中、同僚は横で爆笑しているのだ。

なんで笑ってんの?だ。どうみても笑う所じゃ無いだろう?だ。

 

 

皆さんは、何もしてないのに、いきなりぶん殴られて爆笑している人間を見たことがあるだろうか?ないだろう。

 

例え、いたとしても何で?となるだろう。

 

まさに今そんな感じだ。

 

 二人で道を歩いていたとしよう、そしていきなり知らないおじさんに、後ろからラリアットをかまされたとしよう。「いってーな。何すんだよ。」と怒り狂う僕の横で、同僚は「あはは!はは!今のラリアット10点満点だったぜ。ぐっ……プハハハッ」等と言いながら笑い転げているのだ。

 

 

え。なんで?そこ笑うとこ?まず、怒れよ

 

 

と、不思議に思うだろう……

 

 

 しかし、次の日、もういい加減見飽きたよ。というくらい今だにフリーダムな同僚のスマホ

 

そこに怒りという感情は無く、もはや、”どうでもいい”だ。”無関心”ならびに、”何とも思わない”だ。

 

 

そんな状態の中、無限に動き回ってる、スマホが目に入る。

 ずっと動き回っている。

 

 

わかった。わかった。もういいから。

 ガン無視。ひたすら、ガン無視してずっと動き回ってる。

 

 

もう、凄いから、お前は凄いから、分かったから、もういいって。

まだ、動く、ずっとずっと、永久的に訳の分から無い動きをし続ける。

 

 

もう、なんなんだよー。

止まらない、いっさい休もうとしない、もうずっと動く。ずっとずっと動く。

 

 

そして、

 

 

ついに、ここで爆笑である。

あっひゃっっひゃっひゃっひゃっひゃと、それはもう、爆笑であった。

 

 

 

 

同僚も、おおウケである。

 なぜか、分からんが、相当おもしろい。

 

普通に2人で爆笑している。3分間くらい笑ってた。

 

 

ついに辿りついてしまったのだ。

恐怖が笑いに変わる瞬間に。

 

恐怖から怒りを経て、笑いへと変わっていったのだ。

 

 

思うのだが、これは、慣れなのではないかと思う。

 

人は、恐怖を感じるものには、自然と逃げていく傾向にある。

だから、慣れない。慣れないと怖いままだ。

 

しかし、無理やりにでも毎回見ていたら、慣れる。

なれると怖くなくなる→あほらしくなる→笑いと言ったところだろう。

 

ジェットコースターが苦手な友人がいたが、毎回無理やり乗せていくうちに、今や乗ってる最中に写真を撮りながら、笑っている。

 

そんなところだ。

 

 

 たとえば、玄関を開けて女の幽霊がいたとしよう。

始めは、びっくりするだろう。しかし、1週間、2週間と毎回その現象が起きてくるうちに「またか」となっていき、1年後には爆笑している。

 

 

呪怨の”としお”君も、最初は怖いが、毎回ずっと見ていくうちに、「こんな顔だったけ?」となり、1年後には顔を見ただけで爆笑だろう。

 

 

 

 怖いものが苦手?

甘い、慣れが足りないよ。経験だ。

 

 色々と経験し続けて、なれ続けるのだ、そうすれば、その恐怖はいつか、笑いに変わっていく。

 

では。